1例目
1日目 水ヶ峰越 高野山~大股 歩行距離16.8km
世界遺産を歩く。熊野本宮大社へむけ出発。
1日目は高野山(和歌山県伊都郡高野町高野山)を出発し、奈良県野迫川村にある大股バス停を目指します。
出発地は高野山の市街地にある「金剛三昧院」右横の道を進みます。薄峠を越えて大滝集落へと登り、高野龍神スカイライン(国道371号)に合流します。
★高野龍神スカイライン(国道371号)では約1.7km車道を歩きます。スピードを出す車やバイクが多いので、通行の際は十分注意しましょう。
その後、林道・山道を地蔵に見守られながら歩くと、大股バス停はすぐです。
遠方の方は、高野山の宿坊で前泊するのもおすすめです。高野山は弘法大師空海によって開かれた真言密教の聖地です。総本山金剛峯寺や奥之院など、見どころも多くあります。
タイムスケジュール
★歩行時間は目安です。脚力、気象条件によります。
- 6:00発 南海電鉄「難波駅」※極楽橋駅でケーブルカーに乗り換え
- 7:56着 南海電鉄「高野山駅」
- 8:01発 南海りんかんバス「高野山駅前」※土日祝ダイヤ
- 8:11着 南海りんかんバス「千手院橋(東)」下車
- 8:30 金剛峯寺参拝
- 9:00 高野山出発 小辺路へ
- 11:00 大滝集落(昼食30分)
- 13:20 東屋
- 14:45 大股バス停
- 15:30 宿泊施設チェックイン
2日目 伯母子峠越 大股~三浦口 歩行距離15.9km
日本200名山「伯母子岳」山頂は360度パノラマの絶景。
2日目は大股を出発し、奈良県十津川村の三浦口を目指します。
大股バス停を出発してすぐに急坂が始まります。萱小屋跡を経て桧峠まで坂が続きますが、そこから伯母子峠までは比較的なだらかになります。体力に余裕があれば、伯母子岳に登って山頂から360度のパノラマを楽しみましょう。山頂周辺は広葉樹が植生しており、新緑や紅葉を楽しめます。
伯母子峠を下り、しばらく行くと上西家跡があります。昭和の初めごろまで旅籠があったという上西家跡には石垣と杉の古木が残っています。また、待平屋敷跡の周辺では、石畳の道が続き往事の名残を残します。
★伯母子峠越えは、小辺路ルートで一番標高が高いエリアです。(伯母子岳山頂1344m)12月上旬~3月末の間は積雪の恐れがあり、特に伯母子峠周辺では1メートル以上積雪することがあります。実際に遭難死亡事故も発生しています。
冬期の登山は十分な装備と知識が必要となります。また、気象情報を確認し登山を延期する勇気も必要です。
タイムスケジュール
★歩行時間は目安です。脚力、気象条件によります。
- 8:30 大股バス停
- 10:10 桧峠
- 10:40 伯母子岳分岐
- 11:00 伯母子岳山頂
- 11:20 伯母子峠(昼食30分)
- 12:40 上西家跡
- 13:20 水ヶ元茶屋跡
- 14:30 三田谷登山口
- 15:45 宿泊施設チェックイン
3日目 三浦峠越 三浦口~十津川温泉 歩行距離19.2km
源泉かけ流し「十津川温泉」でほっとひと息。
3日目は三浦口を出発し、十津川温泉を目指します。
三浦口から舟渡橋(吊り橋)を渡り、石畳、吉村家跡防風林と見どころも多い古道です。三浦峠までは700メートルの高低差があるので、途中の三十丁の水でのどをうるおしながら、三浦峠までゆっくりと登りましょう。
三浦峠を下り、出店跡周辺にはトガサワラが生育しています。季節になれば特徴のある丸いマツボックリを見つけることができます。出店跡を過ぎれば、森林に囲まれた気持ちのいい尾根道が続きます。五輪の塔を過ぎれば本格的な下りが始まり、国道425号西中登山口へ着きます。
ここから、国道425号(約9km)を十津川温泉まで歩きます。舗装路が続きますので、村営バスで移動するのもおすすめです。
十津川温泉がある十津川村平谷エリアにはスーパー、商店などがありますので、食べ物等の補給ができます。
タイムスケジュール
★歩行時間は目安です。脚力、気象条件によります。
- 8:30 三浦口
- 8:35 舟渡橋(吊り橋)
- 9:05 吉村家跡防風林
- 10:30 三浦峠
- 11:00 出店跡(昼食30分)
- 13:05 西中バス停
- 14:02発 村営バス「西中バス停」
- 14:31着 村営バス「十津川温泉」下車
- ※徒歩の場合は、西中バス停から十津川温泉まで約2時間。
- 15:00 宿泊施設チェックイン
4日目 果無峠越 十津川温泉~熊野本宮大社 歩行距離15km
三十三観音石仏に見守られながら熊野本宮大社へ。
4日目は十津川温泉を出発し、ついに熊野本宮大社へ!
果無峠登山口からは急な登り坂が続きますが、観音石仏を数え、眼下の美しい景色を眺めながらゆっくりと歩きましょう。
果無登山口から約40分で果無集落(はてなししゅうらく)に到着します。数軒の民家の庭先を熊野古道が通り、山々の中に広がる田んぼや畑の原風景が現れます。果無集落を過ぎれば、そこから和歌山県田辺市本宮町の八木尾までは完全に山道です。
登りのところどころに天水田跡、山口茶屋跡、十津川温泉の眺望を楽しみながら果無峠へ。果無峠からは長い下りです。半分をすぎたあたりでようやく、本宮町の展望が望めます。
七色分岐を過ぎれば、ほどなく八木尾に着き、舗装道路にでます。ここから三軒茶屋跡までの2.5kmは舗装道路です。途中、「道の駅奥熊野古道ほんぐう」で休憩。三軒茶屋跡で中辺路に合流し、熊野本宮大社まではもうすぐです。
熊野本宮大社で旅の報告をし、帰路につきましょう。日程に余裕があれば本宮町周辺で1泊するのもいいでしょう。
タイムスケジュール
★歩行時間は目安です。脚力、気象条件によります。
- 8:00 十津川温泉
- 8:20 果無峠登山口
- 9:00 果無集落
- 10:10 観音堂
- 10:40 果無峠(昼食30分)
- 12:15 七色分岐
- 13:00 八木尾
- 13:25 道の駅奥熊野ほんぐう(休憩10分)
- 13:55 三軒茶屋跡
- 14:35 熊野本宮大社
【帰路の場合】
- 15:05発 龍神バス熊野古道号「本宮大社前」
- 17:15着 龍神バス熊野古道号「田辺駅前」
※田辺駅前からは大阪方面行の高速バスも運行しています。(西日本JRバス、明光バス)
- 17:32発 JR「紀伊田辺駅」
- 19:32着 JR「天王寺駅」
- 19:50着 JR「新大阪駅」
宿泊の場合は和歌山県田辺市本宮エリアで宿泊。
Information
宿泊施設:本宮エリア(本宮町、湯の峰温泉、川湯温泉、渡瀬温泉など) 帰路アクセス2例目
1日目 移動日 奈良交通バス 八木駅~十津川温泉
日本一長い路線バスで十津川温泉へ。
秘境、十津川村への公共交通機関でのアクセスは路線バスの移動となります。奈良交通バスで、近鉄大和八木駅前(南口)から十津川温泉まで約4時間20分。1日に3便の運行です。
車の場合は京奈和自動車道「五条IC」から国道168号を約1時間30分で十津川温泉。さらに国道168号を約25分南下して世界遺産センター(和歌山県田辺市本宮町本宮100-1)駐車場に車を置き、バス停「本宮大社前」から十津川村営バスで十津川温泉まで戻り、温泉宿にチェックインしましょう。
タイムスケジュール
バスの場合
- 11:38発 奈良交通バス「大和八木駅(南)」※2便目
- 13:06発 奈良交通バス「五条駅」
- 16:10着 奈良交通バス「十津川温泉」
- 16:20 宿泊施設チェックイン
車の場合
- 12:00 京奈和自動車道「五条IC」~国道168号
- 15:00 和歌山県世界遺産センター
- 15:26発 十津川村営バス「本宮大社前」
- 16:03着 十津川村営バス「十津川温泉」
- 16:10 宿泊施設チェックイン
1日目夕方 宿泊 十津川温泉
十津川温泉の宿で宿泊。
十津川温泉の温泉宿はすべて「源泉かけ流し温泉」です。明日の登山に備えて、ゆっくり休みましょう。
2日目 果無峠越え 十津川温泉~熊野本宮大社
にほんの里100選「果無集落」を通り、果無峠を越えて熊野本宮大社へ。
十津川温泉を出発し、果無登山口から約40分で果無集落(はてなししゅうらく)に到着します。数軒の民家の庭先を熊野古道が通り、山々の中に広がる田んぼや畑の原風景が現れます。果無集落を過ぎれば、そこから和歌山県田辺市本宮町の八木尾までは完全に山道です。途中でエスケープできないので注意しましょう。
登りのところどころに天水田跡、山口茶屋跡、十津川温泉の眺望を楽しみながら果無峠へ。果無峠からは長い下りです。半分をすぎたあたりで本宮町の展望が望めます。
七色分岐は間違いやすい場所ですので、注意してまっすぐ進みます。左手の下り坂は七色集落への道です。
七色分岐を過ぎれば、ほどなく八木尾に着き、舗装道路にでます。ここから三軒茶屋跡までの2.5kmは舗装道路です。途中、「道の駅奥熊野古道ほんぐう」で休憩。三軒茶屋跡で中辺路に合流し、熊野本宮大社はもうすぐです。
タイムスケジュール
★歩行時間は目安です。脚力、気象条件によります。
- 8:00 十津川温泉
- 8:20 果無峠登山口
- 9:00 果無集落
- 10:10 観音堂
- 10:40 果無峠(昼食30分)
- 12:15 七色分岐
- 13:00 八木尾
- 13:25 道の駅奥熊野ほんぐう(休憩10分)
- 13:55 三軒茶屋跡
- 14:35 熊野本宮大社、大斎原
Information
2日目夕方 帰路へ
路線バスに乗り、帰宅。
本宮大社前から路線バスに乗り、帰路につきましょう。
車の方は温泉で汗を流し、地元グルメを買って帰るのもいいでしょう。
タイムスケジュール
バスの場合
- 15:05発 龍神バス熊野古道号「本宮大社前」
- 17:15着 龍神バス熊野古道号「田辺駅前」
- 17:32発 JR「紀伊田辺駅」
- 19:32着 JR「天王寺駅」
- 19:50着 JR「新大阪駅」
車の場合
- 15:00 湯の峰温泉・川湯温泉・渡瀬温泉入浴
- 16:00 食事・おみやげ購入、国道168号を北上
- 19:00 京奈和自動車道「五条IC」
熊野古道小辺路を歩くヒント
■小辺路の特徴・注意点について
- ①村では、世界遺産熊野参詣道登山マップ小辺路「日本語版」「英語版」を作成しています。登山の際は、携帯をお願いします。
★登山マップ(紙冊子)をご希望の方は十津川村企画観光課まで送付先・希望部数をメールでご連絡ください。無料で配布しています。 - ②1,000m級の峰や峠を4つ越える小辺路は健脚者向けです。ハイキングではなく、一日中歩く登山です。十分な装備が必要です。
- ③一度山に入ると、途中で離脱できるエスケープルートはありません。しんどくなったら、勇気をもって早めに引き返しましょう。
- ④道中での食べ物調達はほぼできません。登りはじめる前に宿泊先でのお弁当の手配や飲料の準備が必要です。
- ⑤小辺路は紀伊半島の山中に位置しており、携帯電話の電波が届かない圏外エリアが多々あります。特にau・ソフトバンクなどは圏外エリアが多い。ドコモの携帯感度情報は小辺路登山マップに掲載しています。
- ⑥ベストシーズンは4~5月末、10月~11月末です。
- ⑦最も宿泊施設が少ないのが三浦口です。伯母子峠と三浦峠の間の集落。3泊4日で全踏破を計画している方は優先的に三浦口の宿をおさえてください。
- ⑧紀伊半島にはツキノワグマが生息しています。小辺路でも熊の目撃情報があります。特に単独登山の方は熊除けの鈴などを携帯してください。
- ⑨この旅プランや小辺路登山マップに記載している歩行時間・所要時間は高野山~熊野本宮大社までの【南下ルート】をもとに掲載しています。熊野本宮大社~高野山までの【北上ルート】を歩かれる場合は記載の時間よりも長い時間が必要です。
- ⑩有償の荷物運搬サービスがあります。※宿泊施設から宿泊施設のみ。身軽に歩くことができます。
三光タクシー(TEL:0746-64-1234 FAX:0746-64-1001)
■装備品について
- ・世界遺産熊野参詣道登山マップ小辺路
- ・飲料水
- ・低体温症を防止するための防寒着
- ・レインウェア
- ・ヘッドライトまたは懐中電灯(予備電池)
- ・ファストエイド(絆創膏、ガーゼ、水(洗浄用)、常備薬など)
- ・エマージェンシーシート
- ・熊鈴
- ・帽子
- ・携帯コップ
- ・その他必要と思われる装備品
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